外傷に関する上肢の3疾患
交通事故等で起こる外傷は多岐にわたります。
痛みの部位によって様々な外傷が存在しますが、今回は肩周囲の外傷として以下の3つについて取り上げたいと思います。
- 腱板断裂
- 鎖骨骨折
- 肩関節脱臼
腱板断裂
腱板とは肩関節の安定性を司る構造で、棘上筋腱、棘下筋腱、肩甲下筋腱、小円筋腱から成ります。
多くは変性や微小な断裂を繰り返すことで症状が出現しますが、外傷によっても起こりうる疾患です。
主な症状は肩が上がらない、上肢挙上時の疼痛です。
また多くは棘上筋腱の損傷ですが、外傷の機転によって損傷される腱は様々です。
鎖骨骨折
鎖骨は肩関節運動の安定性に寄与する骨です。
鎖骨骨折は外傷を背景として起こる骨折です。
自然に骨折をきたすことはありません。
交通外傷だけでなく様々な外傷によって起こりうる骨折です。
検診等でもしばしば指摘される骨折で、この骨折が日常生活に支障を与えることは少ないとされていますが、スポーツマン等ではこの骨折が問題になることがあります。
肩関節脱臼
こちらも鎖骨骨折と同様に外傷を背景として起こります。
その病態は、上腕骨頭(上腕骨の肩方向の端のことです)が肩関節から外れてしまうものです。
脱臼の方向は単一ではなく前方、後方や下方に脱臼します。
また脱臼に伴い、前述した腱板損傷を併発することもあります。
こちらは脱臼したままでは生活に支障が出るため、整復を要します。
人によってはこの脱臼を繰り返してしまう方がいます。
上記の3つの外傷について非常に簡潔に説明いたしました。
場合によっては日常生活に支障を来しうるため、専門家による評価が必要になり得ます。
詳しくは各外傷のコラムがありますのでそちらをご参照ください。