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2022/01/06

脊椎、脊髄の外傷性疾患の分類について

2022/01/06

脊椎、脊髄の外傷性疾患の分類について

過去のコラムで脊髄損傷やヘルニアについてまとめましたが、非常に各論的であったため、今回は、脊椎の外傷性疾患の総論について触れたいと思います。

 

 

 

外傷性疾患の分類

まず外傷性疾患を以下に分類することが肝要です。

  1. 骨折
  2. 靱帯損傷
  3. 椎間板損傷
  4. 椎間関節損傷
  5. 血管損傷
  6. 脊髄損傷
  7. その他

 

この分類の下に、各項目の各論について何回かに分けて述べていこうと思います。

 

骨折

 脊椎の骨折は高エネルギー外傷によって起こります。単純X線写真で指摘可能な骨折は重症のことが多いです。

 

近年ではCT検査により、骨棘骨折のような微小な骨折も評価可能になりましたが、このような骨折では脊椎の安定性は保たれるため骨折そのものが問題となることは少ないです。

 

靱帯損傷

 脊椎の靱帯は、椎間関節や椎間板とともに脊椎の安定性に寄与します。

靱帯はMRIによって評価されますが、脊椎、関節、椎間板ととともに総合的に評価することが重要です。

 

また靱帯損傷は微小な所見のことがあるため丁寧な画像評価が必要です。

 

椎間板損傷

 ヘルニアを伴う椎間板損傷では脊髄損傷、神経根損傷に注意する必要があります。

 

 

壮年期以後においては変性によるヘルニアを認めることがしばしばありますが、受傷を境にヘルニアによる症状を認めた場合、外傷性も考慮されます。

 

 

ただし症状と所見が一致しないことや、退行性変化に伴う不顕性の椎間板ヘルニアが外傷性に顕性の椎間板ヘルニアとなったとする因果関係の判断には経験ある医師の判断を要します。

椎間板損傷はMRIでの評価が重要です。

 

 

詳細は過去のコラムをご参照ください。

 

椎間関節損傷

 椎間関節は椎弓根の後方に上下左右一対に存在する脊椎と脊椎とを結ぶ関節で、椎間関節損傷も外傷による疼痛の原因として重要です。

 

 

脱臼においては単純Xpでの動的撮影やCTでの評価が簡便ですが、脱臼を伴わない損傷では関節に液体貯留を呈することがあるため、脊髄損傷などの有無も含めてMRIでの評価が必要です。

 

血管損傷

 特に頚椎では横突孔という穴に頭蓋内の脳幹、小脳、大脳の後方を栄養する椎骨動脈という重要な動脈が走行します。

 

 

外傷によってはこの横突孔の損傷に伴い血管損傷を引き起こすことがあります。

 

 

強い疼痛や発症部位によっては重篤な病態であり血管損傷が疑われた場合はその評価を目的とした画像検査(MR angiographyやCT angiographyなど)が必要です。

 

 

この他にも外傷により椎体周囲の静脈が破綻することで、硬膜外血腫という出血をきたすことがあります。

この出血により脊柱管狭窄し、脊髄圧迫症状呈する場合があります。MRIでの評価が必要です。

 

脊髄損傷

 脊髄損傷は不可逆的な損傷で高度なものでは重度の後遺障害を生涯にわたり残し、場合によっては介護を要します。

 

 

軽度のものでも一度発症すると疼痛やしびれなど頑固な症状に悩まれる可能性が高く、高度の損傷同様、生涯にわたり症状が残存するケースがあります。

 

 

 これは神経修復が極めて緩徐に進むためともいわれています。

後遺症の診断には受傷から1年以上を要する場合おあります。

 

 

また損傷した部位によって症状は様々です(過去のコラムを参照してください)。

 

画像上の信号変化を呈さない症例も多く、診断には定期的なMRI画像検査が重要であることには変わりはないものの、最も重要となるのは治療経過での神経学的検査所見の推移です。

 

 

その他

 いずれの画像検査においても異常を指摘できないにも関わらず、外傷後に頚部の疼痛やめまい、しびれ、嘔気等の症状をきたす病態があります。

 

いわゆる“むち打ち”といわれるものです。

 

 

 追突事故が背景にあり、頭部と体幹部の動きが同期せず、首がむちのようにしなることで発症する疾患です。

 

頚椎捻挫や頚部挫傷、外傷性頚部症候群とも呼称されます。症状がはっきりしないにも関わらず、被害者にとっては長い間症状に悩まされる病態です。

 

 

 まずは、本当にむちうちなのか、このほかに画像検査で診断可能な病態がないかを専門家によって評価される必要があります。

 

脊椎損傷コラムはこちら

 

 

まとめ

 今回は、脊椎、脊髄の外傷性疾患の総論についてまとめました。

病態が多岐にわたることや、外傷と変性の因果関係の判断には専門家による評価は必須です。

 

 

後遺障害の認定にお困りの方は、YKR medical consultにご相談ください。

 

参考文献

エキスパートのための脊椎脊髄疾患のMRI 第3版

 

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