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デイサービスの個別記録票等から認知機能を評価して遺言能力を否定したアルツハイマー型認知症の事例

CASE

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デイサービスの個別記録票等から認知機能を評価して遺言能力を否定したアルツハイマー型認知症の事例

1 依頼内容

Content

(1)事案の概要

依頼人Xの亡父(被鑑定人)の作成した公正証書遺言について、遺言書には被鑑定人の子であるYに相当の財産を譲るという内容でした。そこで同じく相続人である長子Xから遺言無効の確認を求めて依頼がありました。

 

(2)依頼の背景

依頼人の亡父(被鑑定者)が、公正証書遺言を作成しているが、当時の被鑑定者の遺言能力の有無について鑑定していただきたい。

 

2 意見

opinion

認知機能障害のエピソードについて

公正証書遺言作成前におけるケースワーカーの個別記録票では、自宅で薬を飲みすぎる、配偶者の顔を認識できない、適切な排便ができない等の記録がされていた。

また、遺言作成約半年前に作成された介護認定調査票では同じような話を日に100回ほどするなど、短期記憶障害が推察される内容の記載があった。さらに、妻の顔を認識できず怒ってしまうなど情緒の易変性、態度の変化や、金銭の管理は妻が行い、特別なことは妻と相談して決めているなどの状況から、日常生活自立度は、障害高齢者自立度がJ2で、認知症高齢者自立度がIIbと判定されていた。

 

神経心理学的検査ついて

遺言作成約半年前に実施したHDS-Rは30点満点中11点であった。単語の遅延再生課題、物品の想起課題、語の想起課題で大幅な減点があり、記銘力障害が明らかであった。

 

以上の事実から、被鑑定人は遺言作成約半年前の時点ですでにアルツハイマー型認知症であったと診断した。

 

認知症の重症度について

HDS-Rの結果は11/30点と「中等度から重度」に該当する一方で、認知症高齢者の生活自立度はⅡbであった。また、被鑑定者の状態は、遺言公正証書作成前の時点で、アルツハイマー病の進行ステージ(FAST;)4(軽度)の金銭管理困難と、6a,6c(やや重度)の着衣の異常や排便に関するトラブルが該当する。これらを総合的に判断すると、遺言公正証書作成時点で、中等度の認知症を有していた蓋然性が高く、公正証書遺言の内容を理解して判断できたとは考えにくいと意見した。

 

遺言書の効力について

本件で問題とされた遺言の内容は長きに渡るものであったが、鑑定の通り記憶力の障害が著しい被鑑定人にとって、実際に自身や家族構成、家族の財産状況等を正しく認識し、遺言書が及ぼす影響について十分に理解してその判断を記憶に留めることはきわめて困難であったと判断した。

それゆえ本件の遺言は付添人が指示ないしは支援を行ったと考えられ、一部の利害関係者によって作成された遺言証書に、本人が内容を理解できないまま同意をした可能性があることを意見した。

 

3 鑑定結果

Appraisal results

上記のように客観的なデータを医学的に解釈し、認知症の診断、重症度や個別の認知機能障害の評価を行った上で、遺言内容と照らして遺言内容は本人の従前の意思とは異なるものであったと鑑定しました。

 

認知症の遺言鑑定では、日常生活や社会生活状況がわかる客観的資料(診療録や介護保険認定調査記録など)、神経心理学的検査結果、血液検査、頭部画像検査が揃っていると、精度が高くなります。コラムへリンク)

 

しかし、場合によっては部分的にしか情報が得られない場合もあります。弊社の遺言鑑定においては、脳神経内科専門医、認知症専門医、放射線画像診断専門医など複数の専門医で評価を行います。

脳疾患や認知機能障害における判断能力などについて、多角的に検証して意見書を作成することができます。正式にご依頼いただく前に相談会を実施することもできますので、お困りの際はお気軽にご連絡ください。

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