信号変化(しんごうへんか)
診療科:整形外科
MRIにおける信号変化は、正常な組織と比較して異なる信号強度を示す現象を指す。これは、T1強調画像、T2強調画像、FLAIR画像など、様々な撮像条件下で観察される。
信号変化のパターンは、高信号、低信号、等信号として表現され、その程度によってやや高信号、等〜高信号といった表現も用いられる。例えば、脳脊髄液のような水に近い液体はT2強調画像で高信号、FLAIR画像やT1強調画像で低信号を示す。多くの病変は特定の信号パターンを呈しこれらのパターンを分析することで診断が可能となる。一般的に多くの病変はT2強調画像またはFLAIR画像で高信号を、T1強調画像では等〜低信号を示す傾向がある。
医師は異常信号を検出した後、T1強調画像、拡散強調画像、T2*強調画像など、複数の撮像条件下での画像を比較検討し病変の性質を判断する。また、必要に応じて造影検査を実施し病変部位の増強の有無や増強のされ方を評価することで、より詳細な診断を行う。
信号変化は炎症、腫瘍、感染症、出血などの様々な病態を反映する可能性がある。例えば、脳梗塞や脳出血などの脳卒中、未破裂脳動脈瘤、脳動静脈奇形などの血管異常もMRIやMRAで検出可能である。
このように、MRIにおける信号変化の解析は非侵襲的に体内の異常を検出し適切な治療方針を立てる上で重要な役割を果たしている。