関節拘縮(かんせつこうしゅく)
診療科:整形外科
関節拘縮とは、関節の可動域が制限され、正常な範囲で動かすことができなくなった状態を指す。医学的には、関節の不動により軟部組織が線維化し、関節可動域が減少して固定化することと定義される。
この症状は、様々な原因によって引き起こされる。主な要因としては、長期間の不動や寝たきり状態による廃用症候群、筋緊張の異常な亢進、慢性的な疼痛、浮腫、皮膚組織の短縮、靭帯損傷、脳卒中後遺症などによる運動麻痺が挙げられる。特に高齢者や長期臥床患者において発生リスクが高まる。関節拘縮の症状は、関節の動きが制限されることから始まる。患者は関節を曲げたり伸ばしたりする際に痛みを感じたり、動きにくさを自覚したりする。進行すると、関節の可動域がさらに狭まり、日常生活動作に支障をきたすようになる。例えば、肘や膝が軽く曲がったままの状態になったり、手が握りしめたままの形で固定されたりすることがある。関節拘縮は、患者のQOL(生活の質)を著しく低下させる可能性がある。